みなさん、こんにちは！
日本の大学での勉強、毎日がんばっていますね。卒業（そつぎょう）が近づいてくると、これからのことをいろいろ考えると思います。
「卒業したら、日本の会社で働きたいな」
「でも、ビザ（在留資格：ざいりゅうしかく）はどうなるの？」
「手続き（てつづき）がむずかしそう…」
そんなふうに思っている人もいるかもしれませんね。
この記事では、大学を卒業して日本の会社で働くために必要なビザの変更について、できるだけわかりやすく説明します。この記事を読めば、なにをすればいいのか、きっとわかるようになりますよ。
まずは知っておこう！「働くためのビザ」のこと
みなさんが今持っているのは、「留学（りゅうがく）」のビザだと思います。このビザは、日本の大学で勉強するためのものです。だから、卒業して会社で働くときには、働くためのビザに変える必要（ひつよう）があります。
働くためのビザには、いろいろな種類（しゅるい）があります。たとえば、
「技術・人文知識・国際業務（ぎじゅつ・じんぶんちしき・こくさいぎょうむ）」
多くの大学生がこのビザに変えます。大学で勉強したことと関係（かんけい）のある仕事をするためのビザです。たとえば、エンジニア、通訳（つうやく）、貿易（ぼうえき）の仕事などです。
「特定技能（とくていぎのう）」
ある専門（せんもん）の分野（ぶんや）で働くためのビザです。
「高度専門職（こうどせんもんしょく）」
特別な知識（ちしき）や技術（ぎじゅつ）を持っている人のためのビザです。
ほかにもいろいろなビザがありますが、大学を卒業して会社で働く場合は、「技術・人文知識・国際業務」のビザになることが多いです。
大切なのは、「大学で勉強したこと」と「会社でする仕事の内容（ないよう）」が関係していることです。これが、ビザをもらうためにとても重要なポイントになります。
「在留資格変更許可申請（ざいりゅうしかく へんこう きょか しんせい）」ってなに？
今持っている「留学」のビザから、働くためのビザ（たとえば「技術・人文知識・国際業務」）に種類を変えることを、「在留資格変更許可申請」といいます。ちょっとむずかしい名前ですね。
どうしてこの申請が必要なのでしょうか？
それは、日本にいる外国人の人は、決められた活動（かつどう）しかできないからです。「留学」のビザなら「勉強する」という活動。「技術・人文知識・国際業務」のビザなら「大学で勉強したことを活（い）かして働く」という活動です。
だから、卒業して会社で働くためには、きちんと国に「これからはこの活動をします」と伝えて、許可（きょか）をもらわないといけないのです。
もし、この申請をしないで働いてしまうと、法律（ほうりつ）に違反（いはん）してしまうことになり、日本にいられなくなってしまうこともあります。だから、とても大切な手続きです。
いつ、どこで、どうやって申請するの？
では、具体的にいつ、どこで、どうやって申請すればいいのでしょうか。
1. いつ申請するの？
申請は、会社から内定（ないてい）をもらって、卒業する前に始めるのがおすすめです。
卒業してから申請することもできますが、もし許可がなかなかもらえないと、日本にいられる時間が短くなってしまうかもしれません。早めに準備（じゅんび）を始めると安心ですね。
だいたい、卒業する年の12月くらいから申請ができるようになりますが、これは住んでいる場所の出入国在留管理局（しゅつにゅうこく ざいりゅう かんりきょく、略して「入管（にゅうかん）」と呼ぶこともあります）によって少し違うことがあります。
2. どこで申請するの？
申請は、あなたが住んでいる場所の近くにある出入国在留管理局で行います。
たとえば、東京に住んでいる人は東京出入国在留管理局、大阪に住んでいる人は大阪出入国在留管理局です。自分の住んでいる場所の入管がどこにあるか、インターネットで調べてみましょう。
3. どんな書類（しょるい）が必要なの？
ここが一番大変（たいへん）かもしれません。たくさんの書類を集めたり、書いたりする必要があります。
たとえば、一般的に必要な書類はこんな感じです。
・在留資格変更許可申請書（ざいりゅうしかく へんこう きょか しんせいしょ）
・写真（しゃしん）
・パスポートと在留カード（ざいりゅうかーど）
・大学の卒業証明書（そつぎょうしょうめいしょ）
卒業見込証明書（そつぎょうみこみしょうめいしょ）
・成績証明書（せいせきしょうめいしょ）
・働く会社についての書類
・理由書（りゆうしょ）
【注意！】 これはあくまで一般的な例です。あなたの状況（じょうきょう）や会社の種類によって、もっとたくさんの書類が必要になることもあります。たとえば、あなたがどんな専門（せんもん）の勉強をしてきたか、会社が新しい会社なのか大きな会社なのか、などによって変わってきます。
「えっ、こんなにたくさん！？」とびっくりしたかもしれませんね。そうなんです。書類を集めるだけでも時間がかかりますし、書き方もむずかしいものがあります。
4. どうやって申請するの？（かんたんな流れ）
かんたんな流れは、こんな感じです。
- 必要な書類を集める：大学や会社からもらう書類、自分で書く書類など、ぜんぶ集めます。
- 申請書を書く：まちがえないように、丁寧に書きます。
- 出入国在留管理局へ持って行く：書類をぜんぶそろえて、入管の窓口（まどぐち）に出します。
- 審査（しんさ）を待つ：入管が、あなたの書類を見て、ビザを出すかどうかを決めます。だいたい1ヶ月から3ヶ月くらいかかることが多いですが、もっと時間がかかることもあります。
- 結果（けっか）がわかる：許可が出たら、新しい在留カードをもらいます。もし不許可（ふきょか）だったら、どうしてダメだったのか理由を聞いて、もう一度申請できることもあります。
ビザの変更で気をつけること・大切なポイント
ビザの変更をスムーズに進めるために、気をつけてほしいことがいくつかあります。
1. 大学での勉強と仕事の内容のつながり
これが一番大切です！何度も言いますが、「大学で何を勉強したか」と「会社でどんな仕事をするか」が、きちんとつながっている必要があります。
たとえば、
・経済学部（けいざいがくぶ）を卒業して、会社の経理（けいり）やマーケティングの仕事をする。
・工学部（こうがくぶ）でコンピューターの勉強をして、ITエンジニアとして働く。
・文学部（ぶんがくぶ）で日本語や英語を勉強して、翻訳（ほんやく）や通訳（つうやく）の仕事をする。
もし、大学で勉強したこととぜんぜん違う仕事をしたいと思っても、ビザをもらうのはむずかしいことが多いです。
2. 働く会社のこともしっかり見られる
あなたのことだけでなく、あなたが働く会社のこともしっかり審査されます。
・会社の安定性（あんていせい）：その会社は、ちゃんとお給料を払うことができるか、すぐに潰（つぶ）れてしまわないか、などを見られます。新しい会社や小さい会社の場合は、特にくわしく見られることがあります。
・仕事の内容（ないよう）：本当にその仕事があるのか、外国人のあなたが必要（ひつよう）な仕事なのか、などを見られます。
3. 書類は正直（しょうじき）に、正確（せいかく）に
当たり前ですが、嘘（うそ）の書類を出したり、まちがった情報を書いたりしてはいけません。もし嘘がばれたら、ビザがもらえないだけでなく、日本にいられなくなることもあります。わからないことは、正直に「わからない」と伝えて、確認（かくにん）することが大切です。
4. 時間に余裕（よゆう）をもって準備する
書類を集めたり、申請書を書いたりするのは、思ったより時間がかかります。また、入管の審査にも時間がかかります。ギリギリになってあわてないように、早め早めに準備を始めましょう。
もし、卒業までに就職先（しゅうしょくさき）が決まらなかったら？ 「特定活動」ビザ
がんばって就職活動（しゅうしょくかつどう）をしても、卒業までに会社が決まらないこともあるかもしれません。そんなときは、すぐに国に帰らないといけないのでしょうか？
心配しないでください。そういう人のために、「特定活動（とくていかつどう）」というビザがあります。
このビザは、大学を卒業した後も、日本で就職活動を続けるためのものです。期間（きかん）は基本的に6ヶ月ですが、更新（こうしん）できる場合もあります。
ただし、この「特定活動」のビザをもらうためにも、いくつかの条件（じょうけん）があります。たとえば、
・大学から推薦状（すいせんじょう）をもらうこと。
・日本で生活できるお金があること。
・まじめに就職活動をしていること。
などです。もし卒業までに就職先が決まらなそうだったら、大学のキャリアセンターや留学生担当（りゅうがくせいたんとう）の窓口に相談（そうだん）してみましょう。
自分で申請するのは大変…そんなときは専門家（せんもんか）に相談しよう！
ここまで読んで、
「やっぱりビザの変更って、むずかしそうだな…」「自分でできるかな…」
と不安（ふあん）に思った人もいるかもしれません。
そんなときは、行政書士（ぎょうせいしょし）という専門家に相談してみるのがおすすめです。
行政書士ってどんな人？
行政書士は、国に出す書類を作ったり、手続きを手伝ったりする専門家です。特に、ビザ（在留資格）の申請にくわしい行政書士がたくさんいます。
行政書士に頼（たの）むと、どんないいことがあるの？
- むずかしい書類の作成（さくせい）を手伝ってくれる
：何を書けばいいのか、どんな書類が必要なのか、丁寧に教えてくれます。あなたに代わって書類を作ってくれることもあります。 - 申請のポイントを教えてくれる
：どうすればビザがもらいやすくなるか、あなたの状況に合わせたアドバイスをしてくれます。 - 入管への申請を代わりにしてくれることも
：「申請取次行政書士（しんせいとりつぎぎょうせいしょし）」という資格を持っている行政書士なら、あなたのかわりに入管に書類を出しに行ってくれます。あなたは入管に行かなくてもいいかもしれません。 - 時間と心配（しんぱい）を少なくできる
：自分で全部やろうとすると、たくさんの時間と手間（てま）がかかります。わからないことだらけで、心配も大きくなりますよね。行政書士に頼めば、そういった負担（ふたん）を軽くすることができます。 - 許可（きょか）の可能性（かのうせい）が高まるかも
：専門家があなたの状況をしっかり聞いて、一番いい方法で申請をしてくれるので、自分でやるよりも許可をもらえる可能性が高くなるかもしれません。（もちろん、100％許可がもらえるわけではありません。）
もし、「書類の準備が大変そうだな」「自分の場合はどうなんだろう？」「不許可になったらどうしよう…」と少しでも思ったら、一度、行政書士に相談してみることを考えてみてください。
相談は無料（むりょう）のところもたくさんあります。まずは話を聞いてもらうだけでも、安心できるかもしれませんよ。
おわりに
日本の大学を卒業して、日本の会社で働くということは、とても素晴らしい経験（けいけん）になると思います。そのためには、ビザの変更という大切な手続きが必要です。
たしかに、少しむずかしい手続きかもしれません。でも、きちんと準備をすれば、道は開けます。
この記事が、あなたの日本での新しいスタートのお手伝いになれば、とてもうれしいです。 もし、手続きで困（こま）ったことや、もっとくわしく知りたいことがあったら、私たち行政書士はいつでもあなたの味方（みかた）です。一人で悩（なや）まず、気軽に声をかけてくださいね。
あなたの日本での活躍（かつやく）を心から応援（おうえん）しています！