【個人事業主必見!】建設業許可の種類って?どれを取ればいいの?

こんにちは!富山の行政書士のSHIOです。

元請業者さんから「〇〇さん、腕もいいし、そろそろ建設業許可、取ってみない?」と声をかけられた。 その言葉は嬉しいけれど、いざ自分で調べてみると、「知事許可?大臣許可?」「一般?特定?」…なんだかよく分からない言葉がずらりと並んでいて、頭が痛くなっていませんか?

親方

俺の場合は、一体どの許可を取ればいいんだ?
間違ったものを取って、お金と時間を無駄にしたくないぞ…

そんな、まっすぐで真面目な一人親方(個人事業主)さんのために、今日は「建設業許可の種類」というテーマを、世界一わかりやすく解説することに挑戦します。この記事を読み終える頃には、あなたが目指すべき許可のゴールが、くっきりと見えているはずですよ。

目次

1. そもそも、なぜ種類があるの?~許可の全体像をざっくりつかもう~

まず、「なぜこんなに種類があってややこしいんだ!」と思いますよね。 建設業許可は、国や都道府県が「どんな事業者が、どこで、どれくらいの規模の工事をするのか」をきちんと把握し、建設業界全体の品質や安全を守るための制度です。

例えるなら、飲食店のメニューのようなものかもしれません。「ラーメン屋」もあれば「寿司屋」もある。同じラーメン屋でも「本店」もあれば「支店」もある。お客様(発注者)が安心して選べるように、それぞれの専門性や規模が分かるようになっているのです。

でも、安心してください。メニューが豊富でも、あなたがいつも頼む定番メニューがあるように、一人親方(個人事業主)さんが関係する許可の種類は、実はシンプルです。大企業向けの複雑な話は一旦忘れて、自分に関係するところだけを、じっくり見ていきましょう。

2. まずは2つの大きな分かれ道~「知事」or「大臣」?「一般」or「特定」?

建設業許可には、大きく分けて2つの判断軸があります。この2つさえ押さえれば、全体像の8割は理解できたようなものです。

【分かれ道①】営業所はどこにありますか? → あなたは「知事許可」を選びましょう!

これは、営業所(事務所)を置いている場所で決まります。

  • 知事許可:営業所が1つの都道府県だけにある場合。 (例:富山市にご自宅兼事務所があり、富山県内や近県で仕事をしている)
  • 大臣許可:営業所が複数の都道府県にある場合。 (例:富山と東京の両方に事務所を構えている)

一人親方(個人事業主)さんの場合、事務所はご自宅など1か所ですよね。ですから、あなたが目指すのは、まず「知事許可」です。「自分が事業を行っている都道府県の知事さんからもらう許可」と、シンプルに覚えてください。

【分かれ道②】下請けにいくら発注しますか? → あなたは「一般建設業許可」を選びましょう!

これは、あなたが元請けになったときに、下請け業者にいくら分の仕事を発注するかで決まります。

  • 一般建設業許可下請けとして仕事をする場合、または元請けになっても下請けに出す金額が大きくない場合。
  • 特定建設業許可元請けとして受けた1件の工事について、下請けに出す金額の合計が5,000万円以上(建築一式工事の場合は8,000万円以上)になる場合に必要。

「特定建設業許可」は、たくさんの下請業者を束ねて巨大なプロジェクトを動かす、ゼネコンのような大きな元請け会社のための許可です。元請けさんから仕事をもらうことが多い一人親方さんなら、まず「一般建設業許可」で問題ないと思います。

さあ、ここまでで、あなたが目指す許可は「知事許可」の「一般建設業許可」であることが分かりましたね。ぐっとゴールが近づいてきました!

3. 最も重要!あなたの専門は何ですか?~29種類から選ぶ「業種」~

ここが、許可取得で一番大事なポイントです。建設業許可は、工事の内容によって29種類の専門分野(業種)に細かく分かれています。

これは、お医者さんに「内科」「外科」「眼科」といった専門分野があるのと同じです。あなたは「何の工事のプロフェッショナルですか?」と、その専門性を問われているわけです。

これを間違えてしまうと、せっかく苦労して許可を取っても、全く意味がありません。 例えば、あなたが最高の腕を持つ塗装職人なのに、間違って「大工工事業」の許可を取ってしまったとします。その場合、500万円以上の塗装工事を請け負うことはできないのです。これは絶対に避けたいですよね。

ご自身の仕事内容を思い浮かべながら、下の例を見てみてください。

  • 大工工事がメインなら → 「大工工事業」
  • クロス貼りや床仕上げなどの内装工事なら → 「内装仕上工事業」
  • 外壁のペンキ塗りなどの塗装工事なら → 「塗装工事業」
  • 足場の組み立てや掘削、コンクリート打ちなら → 「とび・土工工事業」
  • 屋根を葺く工事なら → 「屋根工事業」
  • 雨漏りを止める防水工事なら → 「防水工事業」
  • 電気の配線工事なら → 「電気工事業」
  • 水道管やエアコンの配管工事なら → 「管工事業」

もし、「自分はいろんな工事をやるんだけど…」という場合は、どうすればいいでしょうか。 まずは、ご自身の事業の中で、一番の得意分野であり、売上の中心となっている工事の業種で許可を取得することを考えましょう。

もちろん許可は、複数の業種をまとめて取得することも可能です。
ただこの場合は、各業種に対応する専任技術者が必要です。専任技術者は、各業種の実務経験年数や資格などを満たす必要があります。この要件を満たしていれば、複数の業種を同時に申請し、許可を得ることができます。

4. 結論!あなたが目指すべき許可はコレです!

さて、長くなりましたが、結論です。 元請業者さんから許可取得を勧められた一人親方(個人事業主)さんが、まず目指すべき許可は、ズバリこれです!

行政書士

【 知事許可 】【 一般建設業許可 】で、業種は【 あなたの専門工事 】です!

例えば、富山県にお住まいで、主に外壁の塗装工事を請け負っている一人親方(個人事業主)さんなら、目指すべきゴールは…

行政書士

「富山県知事」「一般建設業許可」で、「塗装工事業」の許可を取得しましょう!

となります。どうでしょう?複雑に見えた許可の種類も、こうして整理すれば、自分が進むべき道がはっきりと見えてきませんか?

まとめ:次のステップへ進みましょう

今回は「建設業許可の種類」について、一人親方さんが知っておくべきポイントに絞って解説しました。

自分の目指すべき許可の種類がはっきりと見えたら、次のステップは「許可を取るための条件(要件)を、自分は満たしているだろうか?」という確認作業です。これには、経営者としての経験年数や、技術者としての実務経験、一定額以上の自己資金の証明などが関わってきます。

そのお話はまた別の記事で詳しく解説しますが、もし「自分の場合はどうなんだろう?」と不安に思ったり、具体的な手続きで迷ったりしたときは、いつでも私たち行政書士のような専門家を頼ってください。あなたの状況をしっかりとお聞きして、最適な道筋を一緒に考え、ゴールまでサポートさせていただきます。

許可取得は、あなたの技術と努力を公的に証明し、事業をさらに飛躍させるための大切な一歩です。焦らず、着実に準備を進めていきましょう。

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