富山県内で左官工事業を営んでおられる社長様、そして現場を支える職人の皆様、
富山県内で建設業を営む経営者の皆様、そして日々の業務に真摯に取り組んでおられるご担当者の皆様、こんにちは。富山県を拠点に、建設業者様を専門にサポートしております行政書士の子浦(シオ)です。
日々の業務、誠にお疲れ様です。 お客様が心から満足する美しい壁や床を仕上げるため、天候や材料と向き合い、高い技術力と集中力で現場に臨んでいらっしゃることと存じます。
これから事業をさらに大きくしていくために、「建設業許可」の取得を考えておられる社長様もいらっしゃると思います。
「目の前の現場をこなすので精一杯で、書類のことまで手が回らない…」
「建設業許可の要件って、なんだか複雑でよく分からない…」
このようなお悩みを抱えながら、日々の業務に追われている方も多いのではないでしょうか。特に、許可の取得・維持に欠かせない「専任技術者」の要件は、建設業許可の中でも特につまずきやすいポイントです。
そこで今回は、建設工事の中でも日本の建築美を支える「左官工事」に焦点を当て、建設業許可の取得に必要な「専任技術者」の要件について、専門家である行政書士が分かりやすく、そして詳しく解説してまいります。
この記事を最後までお読みいただければ、ご自身の会社が「建設業許可 左官工事」の要件を満たしているか、また、何を準備すればよいのかが明確になります。そして、「やっぱり手続きは専門家に任せたい」と思われた時のための情報もお伝えします。
「左官工事」とは?建設業許可における仕事の範囲
はじめに、私たちが普段目にしている「左官工事」が、建設業法ではどのように定義されているかを確認しましょう。
非常にシンプルですが、「こて」などを使って、壁や床などを塗り固め、仕上げていく工事全般を指します。
その技術は、建物の耐久性だけでなく、意匠性(デザインの美しさ)にも直結する重要な役割を担っています。
【左官工事の具体例】
- 建築物の内外壁のモルタル塗り
- 漆喰(しっくい)壁の施工
- 珪藻土やじゅらく壁などの塗り壁仕上げ
- コンクリート床、壁の金ごて押さえ、ムラ消し
- 洗い出し仕上げ、人造石研ぎ出し仕上げ
- モルタル防水工事
- 吹付けスタッコやリシンによる外壁仕上げ
富山県の気候風土に適した丈夫で美しい住まいづくりにおいて、左官職人の技術は欠かせません。
これらの工事を1件の請負代金が500万円(税込)以上で請け負う場合、法人・個人事業主を問わず左官工事業の建設業許可の取得が法律で義務付けられています。
最重要チェックポイント!「専任技術者」の要件とは?
建設業許可を受けるための核心部分、それが「専任技術者」の設置です。
専任技術者とは、「許可を受けたい営業所に常勤し、その工事に関する専門知識や実務経験を有する技術者」を指します。会社の技術力を証明する重要なポジションであり、この要件をクリアできなければ許可は取得できません。
この専任技術者の要件を満たす方法は、前回の大工工事と同様に「国家資格」で証明する道と、地道な「実務経験」で証明する道の2種類が存在します。ご自身の会社に、以下のいずれかの条件を満たす方がいるか、一緒に確認していきましょう。
パターン1:国家資格で要件をクリアする
左官工事の専任技術者として認められる国家資格は、以下の通りです。これらの資格を持つ方がいれば、必要な実務経験の年数が大幅に短縮されたり、免除されたりするため、最もスムーズに要件をクリアできる方法です。
- 1級建築施工管理技士
- 2級建築施工管理技士(種別:仕上げ)
- 職業能力開発促進法に基づく技能検定
:左官(1級、または2級合格後3年以上の実務経験)
《ここが重要!》
2級建築施工管理技士の資格をお持ちの場合、資格証の種別を必ずご確認ください。大工工事では「躯体」でしたが、左官工事の専任技術者として認められるのは「仕上げ」の資格です。お間違えのないようご注意ください。 また、技能検定の「左官」については、1級であれば単独で要件を満たせますが、2級の場合は合格後に3年以上の左官工事に関する実務経験が別途必要となります。
これらの資格者が社内にいらっしゃる場合は、資格証の写しを提出することで技術力を証明できます。
パターン2:実務経験で要件をクリアする
「資格を持っている社員はいないが、長年この道一筋でやってきたベテランならいる!」という会社様も多いでしょう。ご安心ください。資格がない場合でも、一定期間の「実務経験」によって、専任技術者の要件を満たすことが可能です。
ただし、必要となる経験年数は、その方の最終学歴によって変わってきます。
- 学歴不問の場合
:10年以上の左官工事に関する実務経験 - 指定学科を卒業している場合
:大学・高等専門学校の指定学科卒業後 → 3年以上の実務経験
:高等学校・中等教育学校の指定学科卒業後 → 5年以上の実務経験
《指定学科について》
ここでいう「指定学科」とは、建築学または土木工学に関する学科です。卒業証明書に加えて、どのような科目を履修したかが分かる単位取得証明書などで、関連学科であることを証明します。
《実務経験の証明は、決して簡単ではありません》
実務経験で「建設業許可 専任技術者 要件」をクリアしようとする際に、誰もが直面する最大の壁が「経験年数の客観的な証明」です。
「私は10年以上、左官職人として働いてきました」という自己申告だけでは認めてもらえません。
その期間、継続して左官工事に携わってきたことを、第三者が見ても納得できる「書類」で裏付ける必要があります。
- 工事請負契約書
- 注文書と請書
- 請求書の控え(工事内容が明記されているもの)と、その入金が確認できる預金通帳の写し
これらの書類を、証明したい期間分(例えば10年分であれば、1年に1件以上のペースで、期間が途切れないように)探し出し、整理して提出しなければなりません。 何十年も前に完了した工事の書類を探し出すのは、大変な労力と時間を要します。この書類準備の煩雑さから、「もう無理だ」と許可取得を諦めてしまうケースも後を絶ちません。
面倒な手続きは専門家に任せるという選択肢
ここまでお読みいただき、「要件は理解できた。でも、やっぱり書類集めは大変そうだ…」と思われたのではないでしょうか。その感覚は、決して間違っていません。
社長様や職人の皆様の時間は、唯一無二の技術を発揮し、お客様を満足させる現場で使われるべきです。不慣れな書類仕事や役所とのやり取りに、その貴重な時間を割くべきではありません。
そんな時にこそ、建設業許可を専門とする「行政書士」の活用をご検討ください。 行政書士に手続きをご依頼いただくことで、お客様は以下のようなメリットを享受できます。
建設業許可は、一度取れば終わり、というものではありません。5年ごとに必ず更新が必要です。この更新を忘れると、許可は失効してしまいます。信頼できる行政書士を会社のパートナーとしておくことで、許可の維持管理に関する不安からも解放されます。
富山県の建設業許可なら、ぜひご相談を
今回は、「建設業許可 左官工事」に不可欠な「専任技術者の要件」について、詳細に解説しました。
- 左官工事とは、壁や床などをこてで塗り固め、仕上げる工事全般を指します。
- 専任技術者になるには「国家資格」か「実務経験」のどちらかを満たす必要があります。
- 認められる資格は「1級建築施工管理技士」「2級建築施工管理技士(仕上げ)」「技能検定(左官)」などです。
- 資格がない場合、学歴に応じて3年・5年・10年以上の実務経験が必要ですが、その証明には長期間分の契約書や請求書などの客観的な書類が求められ、非常に手間がかかります。
日々の現場仕事でお忙しい中、これらの複雑な手続きをご自身で進めるのは、想像以上に大変なことです。もし少しでも「難しいな」「面倒だな」「誰かに相談したい」と感じられたなら、それは専門家の力を借りる絶好のタイミングです。
富山県での建設業許可の取得や更新手続きでお困りの方は、ぜひ当事務所へお気軽にご相談ください。 お客様一人ひとりの状況に真摯に耳を傾け、長年の経験と知識を活かして、全力でサポートさせていただきます。
ご相談やお仕事のご依頼は下のウェブサイトからお問い合わせください!
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