【建設業許可】個人と法人、あなたはどっち?申請方法や要件の違いを徹底解説!

こんにちは!建設業の許可申請のお手伝いをさせていただいている、富山の行政書士のSHIOです。

親方

建設業許可を取りたいんだけど、個人事業主のままでいいのかな?それとも、そろそろ法人成り(会社にすること)も考えた方がいいのかな?」

親方

「そもそも、個人と会社(法人)で、許可の取り方や条件って、何か変わってくるの?」

一人親方さんや、これから事業をさらに大きくしていきたいと考えている社長さんから、こんなご相談を本当によくいただきます。
今日は、そんなあなたのギモンをスッキリ解消するために、建設業許可の「個人事業主」「法人」での違いを、難しい法律用語は抜きにして、とことん分かりやすく解説していきますね!

目次

はじめに:そのギモン、スッキリ解消します!

1. 建設業許可のゴールは同じ?個人と法人、基本的な考え方

まず、大きな結論からお伝えすると、建設業許可を取得するという「ゴール」自体は、個人事業主でも法人でも大きくは変わりません。

どちらも同じように法律で定められた基準(例えば、経営経験がちゃんとあるか、技術力は確かか、お金の体力はあるか、などですね)をクリアする必要があります。 そして、取得できる許可の種類(例えば「内装仕上工事業」や「塗装工事業」など)や、その許可でできる工事の範囲が、個人か法人かで変わるわけではないんです。

行政書士

「え、じゃあ、何が違うの?」って思いますよね。
簡単に言うと、「許可を取るまでの準備(申請手続き)で用意するもの」や、「審査で見られるポイント(要件の証明方法)」が、個人と法人で少しずつ違ってくる、というイメージなんです。

2.【徹底比較!】建設業許可、個人事業主と法人でココが違う!7つのポイント

では、具体的にどんな点が違うのか、特に重要な7つのポイントに絞って、分かりやすく比較していきましょう。

① 許可の名義人:誰の名前で許可がもらえるの?

  • 個人事業主の場合: 事業主であるあなた個人の名前で許可がおります。許可証には、あなたの氏名や屋号(お店の名前など)が記載されます。
  • 法人の場合: あなたが設立した会社(株式会社や合同会社など)の名前で許可がおります。許可証には、会社名や代表者(社長さんなど)の名前が記載されます。
行政書士

シンプルですが、意外と大事なポイントです。
個人なら「山田太郎さん」の許可、法人なら「株式会社山田建装」の許可、っていう感じですね!

② 経営のプロの証明:「経営業務の管理責任者(経管)」はどうなる?

建設業許可には、「経営のプロ」がいることが絶対条件です。

  • 個人事業主の場合: ほとんどの場合、事業主であるあなた自身が、過去の個人事業主としての経営経験(例えば5年以上など)を証明していくことになります。その際、あなたが毎年税務署に提出している個人の確定申告書などが、とても重要な証拠書類になります。
  • 法人の場合: 会社の役員(社長さんや取締役など、常に会社にいて経営に関わっている人)のうちの誰かが、経営経験を証明します。個人事業主だった頃の経験も使える場合がありますが、法人の役員としての経営経験が問われることもあります。提出する書類も、法人の決算書や役員としての実績を示すものに変わってきます。
行政書士

法人になると、「この会社の経営、一体誰がちゃんと責任持ってやってるの?その人の社長さんとしての経験は、ちゃんとあるの?」って感じでチェックされるイメージですね。

③ 技術のエースの証明:「専任技術者(専技)」の置き方は?

工事に関する専門知識や技術を持った「技術のエース」も、必ず営業所にいる必要があります。

  • 個人事業主の場合: こちらも、事業主であるあなた自身が、持っている国家資格やこれまでの実務経験で専任技術者になることが多いです。もちろん、条件を満たす従業員さんがいれば、その方を専任技術者にすることも可能です。
  • 法人の場合: 会社の役員または従業員(どちらも常に会社にいて、その営業所に勤務している人)の中から、資格や実務経験のある人が専任技術者になります。
行政書士

「ウチの会社(お店)の技術面は、この人がしっかり見てますよ!」と胸を張って言える人が、個人でも法人でも必要ですよ、ということですね。

④ お金の体力測定:「財産的基礎(500万円の壁)」の証明方法は?

事業を安定して続けていくためのお金の体力も、証明しなければなりません。

  • 個人事業主の場合: あなた個人の事業用口座などの預金残高証明書(500万円以上)で証明するのが一般的です。または、個人の確定申告書(青色申告で「貸借対照表」を作っている場合)で「自己資本」という金額が500万円以上あることを示す方法もあります。
  • 法人の場合: 会社の銀行口座の預金残高証明書(500万円以上)、または会社の決算書(貸借対照表)で「純資産額」という金額が500万円以上あることを証明します。
行政書士

お金の体力測定も、見られるお財布が違うイメージです。個人なら「社長個人の事業のお金」、法人なら「会社そのもののお金」で見られます。

⑤ 社会保険への加入:ここが大きな違いになることも!

従業員さんのため、そして事業主自身のリスク管理のためにも重要な社会保険。ここが、個人と法人で大きく異なるポイントになることがあります。

  • 個人事業主の場合:
    • 従業員を雇っていない、または常時使用する従業員が5人未満の場合:事業主自身は国民健康保険・国民年金に加入。従業員さんについては、健康保険・厚生年金は「任意適用」(入るか入らないかを選べる、ただし建設国保などの選択肢もあり)となります。
    • 常時使用する従業員が5人以上の場合:健康保険・厚生年金は「強制適用」(必ず入らなければならない)になります。
  • 法人の場合:
    • なんと、たとえ社長1人の会社であっても、健康保険・厚生年金に「強制加入」となります。社長さんご自身の役員報酬から、社会保険料が天引きされる形になります。
行政書士

ここは本当に大きな違いですよね!特に一人親方さんから法人成りする場合、この社会保険料の負担がグッと増えるケースが多いので、事前にしっかりシミュレーションしておくことが大切ですよ!

⑥ 提出する書類:何を用意すればいいの?

申請する時に役所に提出する書類の種類も、少し変わってきます。

  • 個人事業主の場合: あなた個人の確定申告書、住民票、身分証明書などが中心です。
  • 法人の場合: 会社のルールブックである「定款(ていかん)」、会社の戸籍謄本のような「登記事項証明書」、役員さん全員の住民票や身分証明書、そして法人の決算報告書など、法人格を証明するための書類が多くなります。
行政書士

会社になると、やっぱり「会社」としての公式な書類が増えるイメージですね。初めてだと、「え、そんな書類どこにあるの?」ってなりやすい部分かもしれません。

⑦ 許可の引き継ぎ(事業承継):もしもの時、どうなる?

万が一、事業主や代表者の方に何かあった場合、取得した建設業許可はどうなるのでしょうか。

  • 個人事業主の場合: 個人事業主の方が亡くなられた場合、残念ながらその建設業許可は相続することができません。 お子さんなどが事業を引き継ぐ場合は、改めて新しい許可を取り直す必要があります。
  • 法人の場合: 会社(法人格)が存続していれば、代表者の方が変わっても、一定の手続き(役員変更の届出など)をすることで、建設業許可は会社に引き継がれます。
行政書士

将来的に、お子さんや他の誰かに事業をスムーズに引き継ぎたい、というお考えがあるなら、法人の方がメリットが大きいかもしれませんね。

3. 結局、個人と法人、どっちで許可を取るのが「お得」なの?

ここまで読んで、「じゃあ、結局どっちで許可を取るのがいいの?有利なの?」と、ますます悩んでしまったかもしれませんね。

実は、「許可の取りやすさ」という点だけで見れば、個人でも法人でも、クリアすべき本質的なハードル(経営経験や技術力、資金力など)は同じなので、どちらが圧倒的に有利ということはありません

大切なのは、あなたの事業の今の状況と、将来どうしていきたいか、という大きな視点です。

  • 個人事業主のメリット・デメリット(ざっくりと)
    • メリット:開業や廃業の手続きが比較的カンタン。社会保険の負担が法人より軽い場合がある(従業員数による)。利益が少ないうちは税金の負担も軽い傾向がある。
    • デメリット:社会的な信用度が法人に比べて低いと見られることがある。大きな融資を受けにくい場合がある。事業承継が難しい。節税の選択肢が法人より少ない。
  • 法人のメリット・デメリット(ざっくりと)
    • メリット:社会的な信用度が高い(取引先や金融機関からの見え方が変わる)。節税の選択肢が広がる。事業承継がスムーズ。赤字を繰り越せる期間が個人より長い。
    • デメリット:会社の設立や廃業の手続きが個人より煩雑で費用もかかる。社会保険への加入が必須で、その負担が増えることも。赤字でも法人住民税(均等割)がかかる。
行政書士

建設業許可を取ることだけをゴールにするんじゃなくて、税金のこと、社会保険のこと、そして何より、あなたの事業の『これから』をぜーんぶ含めて、トータルで考えるのが、後悔しないための秘訣ですよ!

まとめ:あなたにピッタリの「事業のカタチ」で許可を目指しましょう!

建設業許可の申請、個人事業主と法人では、準備する書類や見られるポイントに違いがあることをご理解いただけたでしょうか。 どちらのカタチを選ぶにしても、建設業許可があなたの事業を次のステージへステップアップさせるための強力な武器になることは間違いありません。

親方

「自分の場合は、個人と法人、どっちで進めるのがベストなんだろう…」

親方

「法人成りも考えてるんだけど、タイミングはいつがいいのかな…」

もし、そうお悩みでしたら、ぜひ一度、私たち行政書士にご相談ください。あなたの事業の状況や将来のビジョンをしっかりお伺いした上で、最適な選択をするためのお手伝いをさせていただきます。

あなたにピッタリ合った「事業のカタチ」で、建設業許可という確かな信頼を手に入れ、未来への大きな一歩を踏出しましょう!

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